「ガス圧接損傷」の版間の差分
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2015年7月24日 (金) 15:41時点における最新版
がすあっせつそんしょう
gas pressure welding wound
ガス圧接損傷とは、レール溶接損傷のひとつで、ガス圧接箇所でレールの底部の端部や頭部のエッジ部分から発生するレール損傷のことで、おもに横裂(フラット破面)がある。
目次
ガス圧接損傷の特徴
ガス圧接の継手は、表面の欠陥がない限り、静的および疲労強度は安定している。
ガス圧接作業を阻雑にすると、表面の欠陥が多発する。
高強度レールの場合は、焼き戻しの再加熱を綿密にしないと熱影響層(HAZ)に局部摩耗が発生する。
ガス圧接損傷の発生原因と発達原因
圧接作業の不具合に基づく、欠陥発生または継手の疲労損傷となり、バーニングやフラット破面となる。
母材レールと圧接条件がマッチングしていないために発生する圧接継手の局部摩耗または疲労損傷。
バーニング
バーニングは、圧接作業の後半において、余盛り表層が過度に溶融されると、母材レールの炭素が燃えて燃焼組織が生成され、以下のようになる。
- やけ疵と呼ばれる表層欠陥となる。
- 脱炭。
- 結晶粒の粗大化および溶融凝固によるミクロ偏析。
- ミクロ割れ。
このような状態になると、圧接部の早期疲労損傷原因となる。
フラット破面または圧接面における酸化物の残留
フラット破面または圧接面における酸化物の残留は、個々の圧接作業に不具合があった場合、接合面に大型酸化物または酸化物の密集群が発生し、接合面に金属的結合がなされない領域が多くなり、疲労強度が著しく低下する。
局部摩耗
局部摩耗は、熱処理レールの継手に見られる現象で、圧接熱または再加熱のため、硬頭部の熱影響層が軟化するために発生する。
継手の早期疲労損傷
継手の早期疲労損傷は、合金鋼レールの継手に懸念される損傷で、合金鋼レールでは圧接面にフラット破面、または大型酸化物が残留しやすい。
ガス圧接損傷の防止
ガス圧接損傷を防止するには、ガス圧接の継手の性能は圧接作業の技能に大きく依存する。したがって、特に圧接後半のバーナー揺動を怠り、バーニングを過大にすると、レールの表層に圧接欠陥が残留しなくても、継手の性能を劣化させてしまう。
合金鋼レールの場合には、普通レールよりも圧接面に酸化物が残留しやすいので、接合面は完全に密着させ、逆火などにより過熱の途中で火焔が消えることのないように注意する。
また、圧縮量を多くとりクランプ圧力と初期の圧接加圧力を増大することが、圧接欠陥および施工トラブルを防止するのに有効である。