合金鋼レール

提供: 保線ウィキ
移動: 案内検索
ごうきんこうれーる
alloy steel rail , alloy rail

合金鋼レールとは、従来から使用されているレールの成分に、合金元素を添加して製造されたもののことである。

合金鋼レールの概要

合金鋼レールは、従来からあるレールの機械的性能の向上、耐腐食性、耐摩耗性の高い鋼の確立を目的として、炭素鋼に合金元素を添加して製造されたものである。

本州と北海道を結ぶ青函トンネルの建設中に開発されたもので、津軽海峡線青函トンネル内の海底中央付近に、耐蝕中炭素クローム鋼レール(FMC)と、耐蝕低炭素クローム鋼レール(FLC)が、上下線に各1,400m敷設された。

これは、建設段階で当時の国鉄と日本鉄道建設公団との間で設置された「青函連絡協議会」の決定事項に基づき、現在一般的に使用されている60kgレール鋼との比較調査を行うことを目的として敷設された。

合金鋼レールの識別

一般の60kgレールと合金鋼レールを色部すするために、レール腹部にFMC、FLCと刻印が打たれている。

合金鋼レールの成分

一般のレール鋼に以下の合金元素を添加している。

元素記号 名称 効果
Cr クローム 耐食性
Cu 耐食性
Mo モリブデン 耐摩耗性
V バナジウム オーステナイト粒度を微細化し鋼を強化