複合狂い

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ふくごうくるい
irregularity in compounding
昭和38年11月9日21時40分頃、東海道本線の鶴見-新子安間で発生した鉄道事故。脱線して停車していた貨物列車に横須賀線下り電車が衝突し脱線して上り線をふさぐ形で停車した。その電車に更に横須賀線上り電車が衝突したという二重衝突事故。死者161人。複合狂いが原因とされている。

複合狂いとは、新たに設けられた狂いの測定方法で、通り狂い水準狂いが逆位相で複合している狂いをいう。

複合狂いの歴史

複合狂いの測定は、おもに貨物列車の途中脱線事故を防止するために設けられたものである。

国鉄時代、昭和38年に発生した東海道本線の鶴見事故を契機に「貨物列車の脱線事故防止に関する研究」が進められた。その結果、軌道狂いの面では、通りと水準の逆位相狂いが連続して存在していたり、単独でも大きな逆位相の狂いが存在すると、貨物列車の走行安全性に悪影響があることが判明した。

このため、昭和51年度から高速軌道試験車(通称マヤ車)に複合狂い記録装置を追加して、複合狂い管理を開始した。

複合狂いの計算式

複合狂いの計算式は、

  • 複合狂い=|通り狂い-1.5*水準狂い|

である。

複合狂いの計算例

例えば、通り狂いが+10mm、水準狂いが-10mmの場合の複合狂いは、

  • 複合狂い=|10-1.5*(-10)|=25mm

と大きなものとなる。