50kgNレール

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50kgNれーる
50kgN-rail
レール腹部に50kgNレールであることがわかるようロールマークがしるしてある。このレールは1963年製なので、Nレールが制定されてまもなく製鋼されたものである。

50kgNレールとは、昭和37年度(1962年度)に旧国鉄によって設計された新しいレールNレールと呼ばれている。現在でも全国でスタンダードに使用されている。

50kgNレールの特徴

  • レール底部幅については、従来から広く使用されてきた50kgレールと同じ127㎜とした。このようにすることにより、従来から敷設されている木まくらぎのタイプレート敷設区間やPCまくらぎ区間にもそのままこの新型レールが敷設することが可能となり、アンチクリーパーも在来のものが使用できるようにした。
  • レール高さを増やし垂直方向の剛性を強化した。50kgNレールは従来からの50kgレールより13%増している。レール本来の使命である垂直荷重の負担がそれだけ緩和されるので、軌道狂い継目落ち破端などが軽減されれることになる。
  • レール頭部形状を車輪の摩耗形状に合わせ、在来の2心円から3心円に見直した。50kgレール(11.11R+254R)、ASCA形(7.94R+304R)をそれぞれに合わせ、50kgNレール(13R+80R+300R)とした。
  • 上首と下首の傾斜を大きくし、継目板のくさび効果を緩和し、レール腹部に過大な引張り力を与えないようにした。これにより破端が減少し継目板の摩耗寿命が70%に増加した。
  • 上首、下首の半径を2倍以上にして応力の集中を避け、上首切れ下首切れなどの疲労破壊を防止した。
  • レールのボルト穴の径はいずれも24㎜と小さく、破断の有力な原因の一つを取り除いた。このため、継目ボルトの直径は19㎜の高張力鋼を熱処理して使用することにした。
  • 継目板の高さを高くすることが可能になり、このため垂直方向の剛性を増加させた。50kgレールより20%増加した。
  • このほかレール腹部をわずかであるが厚くして耐腐食性を増加させ、ボルトの穴位置をさらにレール端より離すことにより破端防止に役立てた。