「遊間」の版間の差分
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[[Image:30kgレールの遊間.jpg|right|400px|thumb|[[30kgレール]]の遊間。[[レール]]とレールをつないでいる[[継目]]には適度な隙間を作ることにより、過度な[[軸力]]がレールに発生しないようにしている。]] | [[Image:30kgレールの遊間.jpg|right|400px|thumb|[[30kgレール]]の遊間。[[レール]]とレールをつないでいる[[継目]]には適度な隙間を作ることにより、過度な[[軸力]]がレールに発生しないようにしている。]] | ||
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==遊間の概要== | ==遊間の概要== |
2015年8月11日 (火) 13:06時点における版
ゆうかん
joint gap , expansion gap , expansion pace , opening of rail joint
遊間とは、レールの温度伸縮に備え、レールとレールとの継目に適当な隙間を隙間をあける。このレール継目の前後の隙間の事を遊間と呼んでいる。
遊間の概要
鉄道における軌道は、2本のレールをまくらぎで結び、バラストで固定するといった簡単な構造で、何十トンという列車を高速で走行させることができる輸送機関である。
この軌道は、比較的安価に建設ができる長所があるが、使用開始後の保守管理の技術が大切であることが大きな特徴となっている。
特にレールとレールをつなぐ継目は軌道の弱点箇所となることから、さまざまな工夫が施されてきた。なかでも、遊間量を適正に管理することは、軌道破壊を最小限に抑えるために必要とされている。
遊間の動き
レールの遊間は、その量が少なければ温度上昇に伴いレールが膨張しレール張り出しの原因となり、反対に大きすぎれば、車輪による衝撃が増大し、乗心地を損なうことになり、継目落ちを助長しレール損傷や継目ボルト、継目板の損傷にもつながる。
このようなことがあることから、遊間の管理は「ほどよい」大きさを追求する技術であり、適正に「あそび」「ゆとり」が必要となる。
遊間の管理の始まり
明治45年1月24日(鉄道公報第983号)鉄道院に掲載された軌道整備規程では、「軌条ノ接目ニハ敷設当時ノ温度ニ依リ左表ニ準ジテ遊間ヲ存セシムルモノトス、但シ温度激変アル地方ニ存リテハ適宜之ヲ増減スルコトヲ得。」 と記されている。
軌条遊間表(軌条長三十三呎又ハ三十呎ニ対シ華氏寒暖計ニテ)
- 三十三呎 = 10.0585 m
- 三十呎 = 9.1441 m
野外ノ温度 | 軌条接目 | 遊間量(ミリに換算) |
---|---|---|
三十度未満 | 十六分ノ五吋 | 7.9375mm |
三十度以上六十度未満 | 四分ノ一吋 | 6.35mm |
六十度以上九十度未満 | 十六分ノ三吋 | 4.7625mm |
九十度以上百二十度未満 | 八分ノ一吋 | 3.175mm |
百二十度以上 | 十六分ノ一吋 | 1.5875mm |
温度ニ拘ラズ随道内 | 八分ノ一吋 | 3.175mm |
遊間の管理は、一年のうちで春と秋に遊間検査(遊間測定)を実施する。
春は気温が上がりレールが伸びるときに継目の開口量を測定し、秋は気温が下がり始めレールが縮む時に隙間ゲージを使用して測定する。
過大遊間や盲遊間が連続して正規の遊間量になっていない区間については、遊間整正器(遊間整正機)を使用して既定の遊間量にする。
遊間管理の実情
近年では、ロングレール化が進み主要線区については遊間の管理が必要なくなっているが、支線区などでは、まだまだ定尺レールが敷設されていることから管理が必要である。
しかし、膨大な人件費などの経費を費やして遊間量を測定し管理していくことに対して、線路状態の改善にほとんど寄与することのない「骨折り損のくたびれ儲け」的なものとなっているのも事実である。