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2015年7月24日 (金) 15:38時点における最新版
らだーきどう
ladder track,ballasted ladder track,floating ladder track
ラダー軌道とは、横まくらぎの変わりにプレストレストコンクリート製の縦梁と、左右の縦梁をつなぐ鋼管製の継材からなる“はしご”状になった混合の剛結構造のことである。ラダーまくらぎが使用された軌道のことである。
ラダー軌道の特徴
ラダー軌道の特徴として、縦梁と継材の剛結部は、鋼管を縦梁の主補強鋼材である異形PC鋼より線の間に挿入し、鋼管周囲に各種の補強筋等を配置した上で、コンクリートの打設により縦梁と強固に一体化となっている。
縦まくらぎは、横まくらぎに比較して荷重分散性に優れ、道床に対する動的負荷を小さく抑えることができることから、バラストによる軌道の保守コストの削減を目的として1960年代に各国で開発が試みられた。
ラダー軌道の複合レール
ラダー軌道は、車輪が走行する鋼製の普通レールと、まくらぎの役割をしたプレストレストコンクリート製の縦梁をレールとみなせる複合レールの構造をしている。
複合レールという形態によって、二本の線荷重となり、鉄道荷重の最大長所をそのまま受け継いだインターフェースとなってる。この複合レールは高剛性であり、軌道横抵抗力に対しても極めて高い安定性を発揮します。
これにより、安全性が高く保持できるため、軌道の保守が少なく済むバラストラダー軌道が実現できる。また、次世代の省力化軌道として、軽量で防振性に優れたフローティングラダー軌道も実現できる。
さらに、複合レール化された軌道は、バラストラダー軌道・フローティングラダー軌道とも、構造物間を跨いで敷設することができるため、軌道の弱点箇所である構造物の境界部分における継目角折れ・レール目違い・座屈に対する安全性も向上できる。
バラストラダー軌道の効果
バラストラダー軌道の耐久性・保守の省力化の効果は、走行試験において通過トン数で直線区間で1億5千万トン、曲線区間で1億トンの走行試験をしたが、プレストレストコンクリート製の縦梁などにひび割れ等の損傷は全く確認されなかった。また、鋼管製の継材も健全であった。
急曲線ロングレール区間の軌道の座屈について、横まくらぎの軌道とバラストラダー軌道の比較をした結果では、横まくらぎの軌道では、曲線半径が小さくなるとともに座屈の危険性が高まる。しかし、バラストラダー軌道では、曲線半径200mにおいても座屈の兆候は全く見られなかった。また、温度変化に伴うレールの軌道直角方向の変位は、温度変化量が40度の場合でも1mm程度である。
であるから、バラストラダー軌道の場合は、曲線半径が200m程度の急曲線区間においてもロングレール化が十分に可能である。
フローティングラダー軌道
フローティングラダー軌道には、防振材式と防振装置式の2種がある。細部の構造・使用パーツによる違いがあるが、ラダーまくらぎのプレストレストコンクリート製の縦梁を軟らかいバネで間欠的に支持してコンクリート路盤から浮かせた基本構造は共通である。 フローティングラダー軌道の種類として、
- ダクタイル台座防振材式フローティングラダー軌道
- L形台座防振材式フローティングラダー軌道
- 防振装置式フローティングラダー軌道
がある。
フローティングラダー軌道の効果
フローティングラダー軌道にしたときの効果として、
- 構造物騒音の大幅低減化
- 構造物境界の軌道強化
- 軌道敷設の大幅な工期短縮による低廉化
- 軽量・防振軌道による高架橋・橋梁の経済化と高耐震化