「ベイナイトレール」の版間の差分
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2015年7月24日 (金) 15:39時点における最新版
べいないとれーる
bainitic rail
ベイナイトレールとは、シェリング傷を防止する目的で開発されたレールである。
ベイナイトレールの概要
転がり接触疲労損傷(頭頂面シェリングともいう)の一つであるシェリングは、直線や曲線半径の大きな曲線で発生しやすく、一度発生させてしまうとレール内部で亀裂が進行しレールが破断してしまう。現在は、シェリングの発生を防止する目的で、大型の機械であるレール削正車による予防削正を実施している。
主に新幹線で施工されており、過去の実験と研究結果から累積通過トン数が0.5億トンでレール頭頂面を0.1mm削正しシェリングの発生を抑制している。
ベイナイトレールは、レール頭頂面に金属疲労層が形成されシェリングが発生する速度より、レールが摩耗する速度を適度に促進させ、車輪の転動で金属疲労層を自己除去する摩耗促進型耐シェリング用レールとして開発された。
開発経緯
開発に当っては、
- レールの強度は、JISに定められた範囲内。
- ガス圧接、フラッシュバット溶接、エンクローズアーク溶接、テルミット溶接(ゴールドサミット溶接)を使用して溶接が可能である。
- レールは信号回路の役目も果たしていることから、電気抵抗値を現行に定められた範囲内とする。
- 鉄道用レールとして受け入れられる価格帯である。
以上のコンセプトで開発が進められ、最終的に「ベイナイト」が選定された。
その後、摩耗性と耐シェリング性を確認するため、
- 高硬度ベイナイトレール
- 中高度ベイナイトレール
- 低硬度ベイナイトレール
- 普通レール
の4種類を、10年間、試験敷設した結果、低硬度ベイナイトレールのみシェリングが発生しなかった。 以上の結果を踏まえベイナイトレールの仕様が提案され、現在でも各鉄道事業者で試験的に敷設が進められている。