フラッシュバット溶接

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ふらっしゅばっとようせつ
flash butt welding , resistance welding
左右2本のレールを突き合せて圧力をかけ高圧電流を流し溶接していく。

フラッシュバット溶接とは、電気抵抗溶接の一種で、別名、フラッシュ溶接ともいわれている。

フラッシュバット溶接の概要

フラッシュバット溶接は、接合するレール両端に電流と通じ常に接触と火花飛散を繰り返すことにより接合部の温度を上昇させ、接合温度に達したところで4から5kg/mm2の圧力を加えて圧接する方法である。他の溶接方法比べ溶接時間が短く、機械接合のため品質が均一である。強度的にも信頼できるが、高電流を必要とするので電力設備や溶接機に費用がかかり高価なものとなる。

フラッシュバット溶接方法

フラッシュバット溶接の原理は、2本のレール短面を軽く接触させて大電流を通電させる。このときレールの短面の接触点が電気抵抗により温度が急激に上昇して溶融し、それとともに火花(フラッシュ)が発生する。

この工程を順次繰り返すことにより、レール端面が完全に溶融状態に達したとき、レール軸方向に衝撃的な圧力を加え圧接する方法である。 主な工程は以下のとおりである。

  1. レール端面を軽く接触させる。
  2. 大電流を通電させる。
  3. 予熱時のフラッシュと共にレールを徐々に前進させる。
  4. フラッシュ工程でレールを更に前進。
  5. 衝撃力を付加する。電流を遮断する。
  6. 溶接が完了する。

フラッシュバット溶接の特徴

この溶接方法の特徴は、溶接機本体が極めて高精度な機能を有する機器から構成されているため、ほぼ全自動で溶接が施工できる。

このため溶接時に人的要素の入る余地が無く、機器が正常に動作していれば、信頼性はきわめて高くなる。しかし、設備が大規模で制御系がかなり複雑であることから、いったん機器の機能を停止すると損失もきわめて大きくなる可能性がある。

自動的に溶接が行われ生産性が高く溶接部の信頼性も高い。そして、作業者の熟練をあまり必要としない。などの理由でヨーロッパを始めとする各国の鉄道の溶接の主流となっている。

しかし、機器類の整備状態が悪いとフラッシュバット溶接損傷となることがあるので注意が必要である。

日本国内の実績

旧国鉄時代の昭和20年にレールセンターに初めて導入され、現在使用されているレール溶接のうちでは、使用歴がもっとも長く、山陽新幹線建設時には走行台車付きの移動式小型フラッシュバット溶接機が旧ソビエトから輸入され使用されていた。