30kgレール
提供: 保線ウィキ
(六十封度軌條から転送)
30きろれーる
30kg/m rail , 30kg rail
30kgレールとは、明治5年に新橋‐横浜間に日本で始めて開通した鉄道に使用されていたレールである。当時、60ポンドレール、六十封度軌條とも呼ばれていた。
30kgレールの輸入
当時、イギリスのダーリントン製鉄会社(1870年)で製造された練鉄製の双頭レールで、重量は60lb/yd(29.8kg/m)あった。一本あたりのレールの長さは、24フィート(7.315m)であった。
その後、摩耗の著しい区間においては鋼鉄製の双頭レールが使用され、橋梁上には鋼鉄製の平底レールが使用された。
30kgレールの製造
日本で使用されていたレールは、大正末期までイギリス、ドイツ、アメリカなどの諸外国からおもに輸入されていた。
国産では、明治34年(1901年)に官営の八幡製鉄所が設置されごく少量のレールが生産されていたに過ぎない。
日本での国内生産がなされる以前については、レールはすべて各鉄道会社により輸入されていた。その結果、その輸入先は世界各国にわたっていたためレール断面が乱立していたが、明治42年11月、当時の鉄道院が「軌條および付属品図」にて9種類に図示された。
種別 | レールの特徴 | 当時の導入路線 |
---|---|---|
30kg第1種レール | 製造初期の平底レールの規格。正式な重量は六十一封度半。 | 元局線六十一封度半、元北海道鐡道線、元日本線第一号、元北越線英形、元関西線第壹号、元甲武線、元北海道炭鉱線BV型、元西成線、元九州線第四号 |
30kg第2種レール | 1900年から1910年ごろに製造された規格。 | 元局線第貮種、元日本線第貮種 |
30Kg第3種レール | 日本で30kgレールといわれたらこの第3種が標準の規格。過去にはJISにも登録されていた。 | 元局線第三種、元九州線第五号 |
30kg第4種レール | 30kg第3種レールのボルト穴の違い。 | 元岩越線、元北越線米形、元北海道炭鉱線、元北海道鐡道線、元九州線第九号、元関西線継承品、元阪鶴線、元甲武線 |
30kg第5種レール | 30kg第9種レールとレール断面がほぼ同じとなっている。 | 元山陽新型、元九州線第七号 |
30kg第6種レール | 30kg第1種レールとレール断面形状が類似しているが、曲率半径が若干違っている。 | 元山陽線旧形 |
30kg第7種レール | 30kg第3種レールのボルト穴の違い。 | 元九州線第六号 |
30kg第8種レール | 30kg第1種レールとレール断面形状が類似しているが、曲率半径が若干違っている。 | 元京都線 |
30kg第9種レール | 30kg第5種レールとレール断面がほぼ同じとなっている。 | 元阪鶴線 |