30kgレール

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30きろれーる
30kg/m rail , 30kg rail
西暦1962年8月に八幡製鉄で製造された30kgレール。ロールマークの「30」は30kgレールを表している。
西暦1928年12月に官営八幡製鉄所で製造された30kgレール。ロールマークの「60」は60ポンドレールを表している。また、「A」はASCE形レールを表している。

30kgレールとは、明治5年に新橋‐横浜間に日本で始めて開通した鉄道に使用されていたレールである。当時、60ポンドレール六十封度軌條とも呼ばれていた。

30kgレールの輸入

当時、イギリスのダーリントン製鉄会社(1870年)で製造された練鉄製の双頭レールで、重量は60lb/yd(29.8kg/m)あった。一本あたりのレールの長さは、24フィート(7.315m)であった。

その後、摩耗の著しい区間においては鋼鉄製の双頭レールが使用され、橋梁上には鋼鉄製の平底レールが使用された。

30kgレールの製造

日本で使用されていたレールは、大正末期までイギリス、ドイツ、アメリカなどの諸外国からおもに輸入されていた。

国産では、明治34年(1901年)に官営の八幡製鉄所が設置されごく少量のレールが生産されていたに過ぎない。

日本での国内生産がなされる以前については、レールはすべて各鉄道会社により輸入されていた。その結果、その輸入先は世界各国にわたっていたためレール断面が乱立していたが、明治42年11月、当時の鉄道院が「軌條および付属品図」にて9種類に図示された。

種別 レールの特徴 当時の導入路線
30kg第1種レール 製造初期の平底レールの規格。正式な重量は六十一封度半。 元局線六十一封度半、元北海道鐡道線、元日本線第一号、元北越線英形、元関西線第壹号、元甲武線、元北海道炭鉱線BV型、元西成線、元九州線第四号
30kg第2種レール 1900年から1910年ごろに製造された規格。 元局線第貮種、元日本線第貮種
30Kg第3種レール 日本で30kgレールといわれたらこの第3種が標準の規格。過去にはJISにも登録されていた。 元局線第三種、元九州線第五号
30kg第4種レール 30kg第3種レールのボルト穴の違い。 元岩越線、元北越線米形、元北海道炭鉱線、元北海道鐡道線、元九州線第九号、元関西線継承品、元阪鶴線、元甲武線
30kg第5種レール 30kg第9種レールとレール断面がほぼ同じとなっている。 元山陽新型、元九州線第七号
30kg第6種レール 30kg第1種レールとレール断面形状が類似しているが、曲率半径が若干違っている。 元山陽線旧形
30kg第7種レール 30kg第3種レールのボルト穴の違い。 元九州線第六号
30kg第8種レール 30kg第1種レールとレール断面形状が類似しているが、曲率半径が若干違っている。 元京都線
30kg第9種レール 30kg第5種レールとレール断面がほぼ同じとなっている。 元阪鶴線