「鉄まくらぎ」の版間の差分
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[[Image:運搬された鉄まくらぎ.jpg|right|400px|thumb|工場より運搬されてきた鉄まくらぎ。鉄まくらぎの裏側が中空になっているため、[[まくらぎ]]を重ねて運搬できるため効率が良い。]] | [[Image:運搬された鉄まくらぎ.jpg|right|400px|thumb|工場より運搬されてきた鉄まくらぎ。鉄まくらぎの裏側が中空になっているため、[[まくらぎ]]を重ねて運搬できるため効率が良い。]] | ||
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[[Image:パンドロール締結装置の鉄まくらぎ.jpg|right|400px|thumb|[[パンドロール型締結装置]]の鉄まくらぎである。溶接や穴あけで[[レール締結装置]]が取り付けられるため比較的安価になる。]] | [[Image:パンドロール締結装置の鉄まくらぎ.jpg|right|400px|thumb|[[パンドロール型締結装置]]の鉄まくらぎである。溶接や穴あけで[[レール締結装置]]が取り付けられるため比較的安価になる。]] | ||
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==日本の鉄まくらぎの歴史== | ==日本の鉄まくらぎの歴史== |
2015年8月18日 (火) 07:34時点における版
てつまくらぎ
steel tie , steel sleeper , steel trough sleeper
鉄まくらぎとは、鋼またはダクタイル鋳鉄で製造されたまくらぎのことである。
日本の鉄まくらぎの歴史
鉄まくらぎは、碓氷峠アプト式軌道と御殿場線に試験敷設されたThyssen社製の鉄まくらぎが260本敷設されたのが、日本において最初である。
御殿場線においては昭和3年から昭和54年までの約半世紀、51年間敷設された実績があり、このまくらぎを昭和55年から昭和58年まで研究された結果、錆・腐食において約1mm以内となっており問題ないことが確認された。また、耐電気絶縁性に関しても、鉄まくらぎ中央部でおこなう絶縁で特に問題は発生していない。
現在では、このまくらぎより簡単な構造のH形スチールまくらぎも開発、研究がなされている。
鉄まくらぎの長所と短所
鉄まくらぎの長所と短所は、
長所
短所
- レール締結装置を含めて、比較的高価格である。
- 電気絶縁性が悪い。
- 腐食しやすい。
- タイタンパーによる道床搗き固め作業に工夫を要する。
鉄まくらぎの敷設現状
諸外国での敷設例はかなりあるのだが、日本においては、大井川鐵道のアプト式鉄道・製鉄所などの工場引込み線・貨物駅の一部などで使用されているだけとなっている。
現在では、JRの一部の旅客会社と私鉄で試験的に敷設されているのが現状である。
その他、貨物線や引込み線などで、木まくらぎが敷設されている一定の間隔で鉄まくらぎが挿入されている。これは、比較的、木まくらぎでは軌間狂いが発生しやすいため、軌間の保持において信頼が高い鉄まくらぎが使用されている。
素材と寿命
鉄まくらぎの寿命は、ドイツで敷設されているK型締結装置のタイプレートを溶接した鉄まくらぎを45年。旧型のレール締結装置をまくらぎに穴を明けて締結するタイプで38年としている。
日本においては、御殿場線で使用されていた鉄まくらぎは、低炭素リムド鋼が使用されていて51年間敷設されていたのを参考にして以下の条件とする。
- 鋼は耐腐食性を考慮する。
- 銅を混入したJIS G 3106、SM490相当仕様のものを使用する。
- ダクタイルはJIS G 5502の素材を使用する。
素材のよさとレール締結装置の改良を考慮すると耐用年数は約70年と考えられる。