「大正14年形分岐器」の版間の差分
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2015年7月24日 (金) 15:41時点における最新版
たいしょう14ねんがたぶんぎき
TAISHOU-14-year shape turnout
大正14年形分岐器とは、大正8年から大正14年までの間で、鉄道省大臣官房研究所軌道係にて規定された分岐器である。
大正14年形分岐器の経緯
明治時代・大正時代に全国に敷設された旧形定規分岐器の欠点が、次第に明らかになってきたため、大正8年から大正14年までの間で、当時の鉄道省大臣官房研究所軌道係によって、日本独自の技術により新しい分岐器が設計され制定された。
この時代に制定された分岐器を総称して大正14年形分岐器と呼んでいる。
大正14年形分岐器には、達597号で制定された30kgレールおよび37kgレールの定規分岐器と、準定規分岐器と呼ばれた50kgレールの分岐器がある。
大正14年に制定された分岐器は、短尺レールが使用された。そして、昭和9年と昭和10年に長尺レールを使用した分岐器も制定された。
これらの分岐器は、戦後、ウイットねじNレール用分岐器が設計されるまで、標準形の分岐器として大量に敷設された。今でも、下級線区や側線に現役で使用されている。
旧形定規分岐器と大正14年形分岐器の比較
旧形定規分岐器と大正14年形分岐器のおもな相違点は、
などの改良が見られる。
大正14年形分岐器の特徴
大正14年形分岐器の特徴は次のとおりである。
- 基本の設計が両開き分岐器なので、片開き分岐器にすると分岐器をひじらなければならないので左右のトングレール位置が前後にズレるトングレール食い違いが生じる。
- 直線ポイントを使用して、トングレールと基本レールの高さに差がある。
- 組立クロッシングに大床板を使用して、リベットで締め付けられている。
- A形ガードが使用されていて、ポイントとガードレールにファングボルトによってまくらぎに固定されている。
以上の大きな特徴がある。
これらの特徴は、コスト的には有利である反面、構造的な弱点があり、分岐器の軌道狂いが発生しやすく、分岐器の部品の摩耗が比較的早く、また、ファングボルトにて固定されているため、交換が困難である欠点がある。