二重弾性締結
提供: 保線ウィキ
にじゅうだんせいていけつ
double elastic fastening
二重弾性締結とは、レールとまくらぎを二重で弾性的に締結するため、レール底部上面をばねなどで固定し、レール底部下面に軌道パッドを敷いた締結装置のことである。
二重弾性締結の構造
レールをまくらぎに弾性的に締結する場合、レール底部上面をばねのみで締め付ける方式を単純弾性締結という。その、単純弾性締結にレール底部の下面に弾性なパッドを敷いたものを二重弾性締結という方式と称している。
完全弾性締結装置と複合弾性締結装置
二重弾性締結装置において、締結ばねなどで横弾性を付与しているものを、完全弾性締結方式と呼んでいる。
これらに加えて、中間に弾性のある二重のタイプレートなどは、複合弾性締結装置と称している。
二重弾性締結の利点
現在最も一般的に広く実用化されている二重弾性締結の利点は、
- レールがまくらぎを常時押し付けているので、その間に衝撃力が発生しにくい。
- 軌道パッドの緩衝効果や振動減衰効果を十分に活用することができる。
- 道床振動を減衰して、道床沈下を減少させるため保守周期の延伸が図れる。
- レールとまくらぎは、ばねの作用により常時緊締されているので、その間に働く摩擦力によりレールのふく進に十分抵抗できて、原則としてアンチクリーパーを必要としない。
- スラブ軌道・橋梁などの直結軌道構造にロングレールを用いる場合は、レールのふく進の抵抗力をある範囲の値におさえる必要があるのだが、ばねの緊締力を調整することにより容易にこれを行うことができる。
- 横方向弾性により横圧の分散が有利となり、横圧に対するレール締結装置やまくらぎの負担を軽くするとともに、通り狂いの発生を防ぐことができる。