帽子形分岐器
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ぼうしがたぶんぎき
hat type turnout
帽子形分岐器とは、昭和初期に経済発達期の輸送増加に対応して、大正14年形分岐器を改良して設計された分岐器である。またの名を「帽マン形分岐器」(ぼうまんがたぶんぎき)と呼んでいる。
帽子形分岐器の特徴
帽子形分岐器の特徴として、帽子形レールを使用してトングレールを製作し、帽子形ポイントとして設計された。また、クロッシング部においては鈍端可動クロッシングが採用されたのが特徴である。
帽子形ポイント
帽子形ポイントは、大正15年にドイツのクルップ社から輸入したドイツ形弾性ポイントが非常に優秀であったが、その価格が高価なため、これに変わるものとして日本において開発設計された。
レールに帽子形レールを使用して、加工は曲線ポイントで水平ポイントが採用された。そして、ポイント後端部分には、関節ポイント構造としてピポット形式とした。
鈍端可動クロッシング
鈍端可動クロッシングの特徴は、
- マンガン鋼製のレール形状の可動レールを使用した。
- マンガン鋼製のクロッシング機構を使用した。
- 前後のレール間には、遊間保持用のターンバックル式のタイロッドが取り付けられた。
- 摩耗帽子ガードが取り付けられた。
などである。
帽子形分岐器の敷設
帽子形分岐器は、帽子形ポイントと鈍端可動クロッシングを組み合わせた分岐器として、当時として最も進んだ構造として、戦後まで主要幹線に多数敷設された。
この組み合わせの分岐器を「帽マン形分岐器」と呼んでいる。
現在では、敷設されている帽子形分岐器はほとんど見受けられておらず、ウイットねじNレール用分岐器、メートルねじNレール用分岐器などに置き換えられている。
鈍端可動クロッシングの欠点
鈍端可動クロッシングは、レールのふく進による転換不能を起こしやすく、可動レールが短いため、列車の乗り移りに対して衝撃が大きい。そのため、レール折損事故が起きれば大事故につながる恐れがある。
その当時の戦後の混乱期に、実際にこのことが原因で脱線事故が発生した。そのため、順次マンガンクロッシングに取り替えられた。