踏切
ふみきり
railroad crossing , level crossing , grade crossing , road crossing , railroad highway crossing
踏切とは、鉄道の線路と自動車などが通行する道路・通路などと交差する部分である。またの名を踏切道ともいわれている。
踏切と踏切道の違い
線路と道路が交差する部分を「踏切」・「踏切道」と呼ばれているが、その違いは、特に区別されているものではない。
法規において、道路法は「踏切道」と表現されていて、道路交通法では「踏切」と表現されている。
したがって、必ずしも統一されているわけではないので、どちらが正しいというわけでもない。
踏切の変遷
日本において、鉄道が開通したのは1872年10月14日である。この当時の踏切道は、常時、線路を遮断していた。そのため、列車の運行されない時間帯は、軌道に直角に線路を閉鎖施錠して、列車が通過するときだけ遮断を解き列車を通していた。
その後、明治20年のころから、道路のほうを遮断するようにしたものが定位となり、道路を通行するときだけこれを開いて線路を閉鎖した。門の外側面に列車に対して危険合図を示す方法をとり、通行が終われば道路は常時閉鎖しておく。
特にこの時代は、交通量が多いわけでななかったので、踏切の交通について今ほど問題は起こらなかった。
しかし、この踏切遮断方法では、列車の運行が多くなるに従い線路を遮断するのが不可能になってきた。そして、必然的に改良がなされて道路を封鎖する方法がとられるようになった。
踏切遮断方法の変遷
道路側の遮断方式が採用された大正14年11月に踏切遮断方式が、
- 上下式
- 引出式
- 引掛式
の三種類に統一された。
その後、昭和23年からは、
- 昇開式
- 引戸式
- 片側腕木式
- 両側腕木式
- 縄張り式
の五種類に改正された。
現在の踏切道に対する解釈
現在では、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」の62条1項に、
「踏切保安設備は、踏切道通行人等及び列車等の運転の安全が図られるよう、踏切道通行人等に列車等の接近を知らせることができ、かつ、踏切道の通行を遮断することができるものでなければならない。ただし、鉄道及び道路の通行量が著しく少ない場合又は踏切道の通行を遮断することができるものを設けることが技術上著しく困難な場合にあっては、踏切道通行人等に列車等の接近を知らせることができるものであればよい」
とある。 したがって、踏切道には、最低限に列車接近表示装置を設けなければならないという事であるが、実際には省令の施行時期より踏切の設置時期のほうが遥かに早いので、現在でも、第三種踏切道や第四種踏切道が違法性無く存置している状態である。