防振まくらぎ軌道

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ぼうしんまくらぎきどう

防振まくらぎ軌道とは、まくらぎの下に弾性を持たせた防振箱を敷いた直結軌道のことである。

防振まくらぎ軌道の開発

東海道新幹線が開業して、高速列車の出現によって発生する騒音・振動が社会問題としてクローズアップされるなか、地下鉄列車においても同様に、騒音・振動の低減が大きな課題となっていた。

1972年に帝都高速度交通営団では、千代田線において、

以上の試験敷設をおこなった。

しかし、防振マットの軌道については効果があったが建設費が高くなる。防振スラブ軌道にしても建設費が高価になり、改良が困難となる。

以上のことから、これらに変わるものとして、まくらぎ下に弾性を持たせた直結軌道の開発がおこなわれ、1978年から軌道延長で約21.2km敷設された。

防振まくらぎ軌道の構造

防振まくらぎ軌道の構造は、まくらぎの下に防振箱といわれるFRP製の箱の中にクロロプレン系合成ゴム製の防振パッドを敷き、防振箱をコンクリート中に固定して、その中にPCまくらぎを置くものである。

そして、防振まくらぎ軌道は、振動低減のみならず、荷重分散性が非常に良好である。また、直結軌道と比べて道床コンクリートへの負担が小さく、その劣化を遅らせて省力化効果が大きい。

一般の直結軌道は、約30年で交換が必要であるが、防振まくらぎ軌道の寿命は、50年が期待されている。