ノーズ可動クロッシング
のーずかどうくろっしんぐ
movable nose crossing
ノーズ可動クロッシングとは、可動クロッシングのひとつで、固定されたウイングレールの中のノーズレール部分が可動して車輪を通過させるものである。
ノーズ可動クロッシングの特徴
ノーズ可動クロッシングは、ノーズレールを可動レールとするもので、大正10年頃から研究され、昭和4年に山手線の田端駅構内に試験敷設された。
可動レール後端部の構造により、
- 弾性式ノーズ可動クロッシング
- 関節式ノーズ可動クロッシング
- 滑節式ノーズ可動クロッシング
の種類があり、また、材料の違いにより、
- マンガン鋳鋼製ノーズ可動クロッシング
- レール溶接製ノーズ可動クロッシングの種類がある。
JRの新幹線では弾性式マンガン鋳鋼製ノーズ可動クロッシングが使用されていて、在来線では関節式レール溶接製ノーズ可動クロッシングが使用されている。
弾性式ノーズ可動クロッシングの概要
新幹線で使用されている弾性式マンガン鋳鋼製ノーズ可動クロッシングは、ノーズ部分が動く可動レール、ノーズレールが密着するウイングレール、可動レールに続くクロッシング構から構成され、クロッシング後端側には伸縮継目が設けられている。
本線側の可動レール後端側には弾性部が設けられ、可動レールの転換は弾性部が弾性的にたわんでおこなう。
弾性部の後端側には固定部が設けられ、可動レールを締結している。
また、ウイングレールとクロッシング構は継ぎ手部においてボルトで固定されている。
斜め継目部ではトングレールとウイングレールを緊締するが、伸縮継目部ではトングレールが±62.5mm伸縮できるように設計され、可動レールにロングレールの軸力が作用しないようにしている。
関節式ノーズ可動クロッシングの概要
関節式レール溶接製ノーズ可動クロッシングは、可動レールを90Sレールを溶接して制作し、可動レール後端部に回転中心を設けて、可動レールの転換はこの回転中心を軸におこなう。このクロッシングは高速用8番分岐器に使用されている。
ノーズ可動クロッシングには、ガードレールは不要ではあるが、可動部分のノーズレールが摩耗して寿命を早めることがないように、分岐線側のみガードレールが設けられている。
滑節式可動クロッシングの概要
滑節式可動クロッシングは、後端継目板とボルトの間にカラーを入れてすき間を設けて、このすき間を可動レールが滑り移動しながら回転する。
この滑節式ノーズ可動クロッシングは昭和4年に試験敷設されている。