絶縁継目

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ぜつえんつぎめ

insulated joint , block joint , insulating joint

日本国内で最も普及している50kgNレール用の50N-H-ささえ型の絶縁継目。

60kgレールの定尺区間に設置されている60-A絶縁継目。

50kgNレールの分岐器内に設置されている50N-G-B1絶縁継目。継目板に絶縁された被覆が施されている。

絶縁継目とは、鉄道の信号機を制御する軌道回路や踏切道の警報機などの制御区間を設けるために設置されているものである。

絶縁継目の特徴

レールの継目部分は、通常、レールボンドを用いて手前のレールと先のレールを電気的に通電させているが、絶縁継目はこの電気を遮断して物理的に絶縁させているものである。

この絶縁継目を一定の区間ごとに設置して列車の運行を制御している。

絶縁継目の種類

絶縁継目の種類は、大きく分けてレールとレールをつなぐ継目板の間に絶縁材を挟んで電気的に絶縁させたレール絶縁と、レールと継目板に絶縁材をはさんで強固に接着剤で固定した接着絶縁継目がある。

絶縁継目の歴史

旧国鉄時代の1904年に、中央線の飯田町－新宿駅間で自動信号化されたときにレールが一定の間隔で絶縁された継目が採用された。

その後、ウェーバー形、キーストン形、コンティニュアス形など順次改良されて敷設されていった。

現在では、保守性と構造上の問題からキーストン形が圧倒的に多い。

絶縁材（ファイバー）の歴史

絶縁装置に使用するファイバー（絶縁材）は、JIS（日本工業規格）のC2315号によるヴァルカナイズドファイバー（角質）第一種木綿繊維を主成分としたものが使用されていた。

木部は、赤樫木（あかかしのき）または白樫木（しろかしのき）をパラピン注入の加工して、木目が継目板の長手方向に通っているものとしていた。

これらは、紙と木材を強化したものであって長期にわたっての使用には耐えられないものであった。

その後、改良されポリカーボネートが使用されるようになり、現在では、エポキシ樹脂やガラス布積層材となった。

また、G形絶縁継目のように継目板に絶縁材が被覆されているタイプもある。

絶縁継目の種類

現在においては、多種多様な種類の絶縁継目が敷設されているが、おもに一般的に使用されている絶縁継目は以下のとおりである。

60kgレール用絶縁継目

60kgレール区間で使用されている絶縁。

種類	用途	継目の支持方法	まくらぎとの締結方法
60-A	60kgレールの定尺区間に敷設する。	支え継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。
60-B	60kgの分岐器に敷設する。床板は左右のレールを支えるようになっている。	かけ継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。
60-C	60kgの分岐器に敷設する。	かけ継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。

かけ継目で敷設する絶縁継目

継目の支持方法をかけ継目で敷設されている。

種類	用途	継目の支持方法	まくらぎとの締結方法
50N-F-H	50Nレール用の統一形として設計された。	かけ継目	タイプレートは使用しない。犬クギは背打ちとする。
40N-F-H	40Nレール用の統一形として設計された。	かけ継目	タイプレートは使用しない。犬クギは背打ちとする。
50-F-H	50PSレール用の統一形として設計された。	かけ継目	タイプレートは使用しない。犬クギは背打ちとする。
37-F-H	37kgレール用の統一形として設計された。	かけ継目	タイプレートは使用しない。犬クギは背打ちとする。
30-F-H	30kgレール用の統一形として設計された。	かけ継目	タイプレートは使用しない。犬クギは背打ちとする。

支え継目で敷設する絶縁継目

継目の支持方法を支え継目で敷設されている。

種類	用途	継目の支持方法	まくらぎとの締結方法
50N-H-ささえ	50Nレールの定尺レール用。	支え継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。
40N-H-ささえ	40Nレールの定尺レール用。	支え継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。

継目板を絶縁材で被覆

継目板が絶縁素材で被覆されているもの。

種類	用途	継目の支持方法	まくらぎとの締結方法
50N-G-A1	50Nレールの定尺レール用。	支え継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。
40N-G-A1	40Nレールの定尺レール用。	支え継目	タイプレートを使用して、犬クギ止め・ねじクギ止めとする。
50N-G-B1	50Nレールの分岐器に敷設する。	かけ継目	タイプレートを使用の犬クギ止め・ねじクギ止めとする。
40N-G-B1	40Nレールの分岐器に敷設する。	かけ継目	タイプレートを使用の犬クギ止め・ねじクギ止めとする。