T2編成

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T2へんせい
T2 organization
東海道新幹線で活躍したT2編成といわれている電気軌道総合試験車。現在は廃車されている。

T2編成とは、新幹線電気軌道総合試験車のひとつで、922形10番台の6両(922-11号車から922-16号車)に921形軌道検測車(921-11号車)を挟み込んだ7両編成のことである。この編成の中の921-11号車は、山陽新幹線博多開業に合わせて開発された軌道検測車で、営業速度の210km/hで検測走行が可能であった。

921-11号車軌道検測車の開発

それまで主流であった921-1形の軌道検測車では不都合になってきた。それは、検測の走行が保守時間の夜間に制限されていること。また、昭和50年の山陽新幹線博多開業を控えて、検測距離が伸びることであった。

そこで、初代の電気試験車922形0番台T1編成)が運用面での不都合も多く老朽化していて、山陽新幹線博多開業も迫っていたので、1974年に新しく製造された電気軌道総合試験車で922形10番台(T2編成)の6両(922-11号車から922-16号車)に921-11号車の軌道検測車を挟み込んだ7両編成を製造した。

昼間の営業時間帯に営業速度と同じ速度で、電気と軌道の地上設備を総合的に検測する体制が確立された。

このとき日本国有鉄道(国鉄)内部で「ドクターイエロー」という通称が生まれた。

921-11号車軌道検測車の特徴

新幹線0系16次車と同時発注のため、側窓が大窓になっているのが特徴である。

921-11号車軌道検測車の運用

登場当初は、昼間に運用されたが、1986年に東海道・山陽新幹線が220km/hに速度向上してからは、夜間の運用が主になった。

国鉄が分割民営化になった後は、東海旅客鉄道(JR東海)に所属。約10日毎に東京-博多間を3日かけて1往復していたが、その後、T4編成の登場で、平成13年1月に東京から博多への検測を最後に運用を終了した。そして、廃車・解体された。

921-11号車が組み込まれた電気軌道総合試験車の編成

  • 1号車 : 通信・信号・電気測定車
  • 2号車 : データ処理車
  • 3号車 : 電源車(観測ドームあり。)
  • 4号車 : 倉庫・休憩室(ボックスシートを装備。583系電車の開放式B寝台下段に類似した構造となっており、寝台としても使用できる。)
  • 5号車 : 軌道検測車(921-11号車、3台車で短車体)
  • 6号車 : 救援車(観測ドームあり)
  • 7号車 : 架線磨耗測定車(1986年に自動分割併合試験を行うため、先頭部の連結器に改造が施され、前頭部の外観が多少変化した。)