30kg第3種レール
30kgだい3しゅレール
30kg rail of the third kind
30kg第3種レールとは、アメリカの土木学会が制定したレールの断面形状であり、現在、日本国内で「30kgレール」といえばこの30kg第3種レールのことを指す。以前はJIS規格にも登録されていた。
30kg第3種レールの歴史
日本ではレールを製造する技術が確立されておらず海外からの輸入に頼っていた時代、レールの輸入先であるアメリカでは、1873年から1893年にわたってアメリカ土木学会(American Society of Civil Engineers、略称でASCE)にレール制定委員会が設けられた。
従来、無統制であったレール断面について各種の研究が行われ、その議決に基づき、新たに40lb/ydから100lb/ydまでの5lbごとのレール標準断面が制定されアメリカの多数の工場は製造するようになった。
このため、30kg第2種レールを輸入することが不便になってきたことや、アメリカの新しい標準レールであるASCE形レールは、多年の研究結果による良好なものと考えられるなどの理由から、日本国内でも、この形の60lbレールを採用することを決定し輸入することとなった。
しかし、輸入されてもこの新しいレールは従来からの30kg第2種レールと断面形状が異なるが、それを区別する名称がなかったため、1906年(明治39年)に、この新しいレールを30kg第3種レールと名づけられた。
これ以降の購入するレールについては、すべて30kg第3種レールとなった。
30kg第3種レールの特徴
30kg第3種レールは、重量が30.1kg/m、長さが9.144m(30フィート)、継目板にはL形継目板を使用し、レール頭部の両側面が垂直であり、上端隈角円弧の半径は小さくなった。
このレールが現在でも使用されている30kgレールであり、昭和になって長さの規格が20mと長くなったものの、断面形状はそのままであり、Nレールが採用されるまで30kgレールの標準として使用された。
30kg第3種レールの使用
現在では、3級線の一部と4級線および側線に相当数敷設されているが、昭和38年頃から国鉄では購入を中止している。また、レールメーカーにおいても注文数が少ないため、常時製造を打ち切っていて受注生産されるのみである。