30kg第2種レール

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30kgだい2しゅレール
30kg rail of the second kind
さいたま市にある鉄道博物館に収蔵されている30㎏第2種レール。

30kg第2種レールとは、30kg第1種レールの断面形状の不備な点を改良したレールのことである。

30kg第2種レールの概要

1892年(明治25年)6月に鉄道敷設法が公布された。 これによって当時は、官設線822km、私設線1,875kmを有した、日本の鉄道網の将来のあるべき姿が決定された。

そして、しだいに線路の延伸に伴ってレールの需要も激増したが、在来のレールとして使用されていた30kg第1種レールは断面形状に不備な点が考えられたので、1897年(明治30年)5月に変更し、イギリスに多量の新しく製鋼したレールが注文された。

その翌5月に旧型が30kg第1種レール、新型が30kg第2種レールとして制定された。

30kg第2種レールの特徴

この30kg第2種レールは、重量が29.8kg/m(60lb/yd)、長さが9.144m(30フィート)で、継目板は従来の短冊形継目板と違って、初めてL形継目板が採用された。 30kg第1種レールから30kg第2種レールへの変更の要点は、30kg第2種レールは30kg第1種レールに比べてレール頭部の断面積を増加したのでレール摩耗限度が延伸した。

レール腹部と底部の断面積は減少したが、レール底部幅を増加したのでまくらぎの支持面積が増大したことにより、まくらぎの耐用年数を延伸することができた。

重量が減少するので材料費の節約にもなる。頭部の形状で旧型レールは、両側面が垂直であるが、新型レールは6度の傾斜が付けられた。これは、当時、外国で多く使用されていたレールと同じ形状である。

鉄道建設規程

1900年(明治33年)8月、鉄道建設規程が公布され、鉄道敷設の定規が確立した。そのなかで、軌道の最低限度が次のように規定された。

  • 軌道負担力は、列車の活荷重および1軸10トンの活荷重に耐えること。
  • レールは鋼製で、22.3kg/m(45lb/yd)以上のもの。

30kg第2種レールの製造

1901年(明治34年)、日本の産業の根幹と軍需の独立を期して、官営の八幡製鉄所設置され操業が開始された。

当時製造されたレールは、官設鉄道標準の30kg第2種レールで転炉製鋼法ベッセマー法)である。当時、このような金属作業に従事した経験は皆無であるため、技術指導をドイツ人技師に受け、非常に苦心と努力が払われた。また、生産量はきわめて微々たるものであったが、次第にその数量が増大し品質も向上してきた。

しかし、大正末期になるまで需要は供給を常に超過したため、イギリス、ドイツ、アメリカなどの諸外国から、相当多量のレールと付属品の輸入は続けられた。

その後、転炉製鋼法は、1901年から1927年にわたって国産レールの製造に継続使用された。その後、平炉製鋼法にすべて切り替えられた。