道床安定作業車

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どうしょうあんていさぎょうしゃ
dynamic track stabilizer
プラッサーアンドトイラー社製の道床安定作業車。別名、DTSとも呼ばれている。

道床安定作業車とは、主に有道床軌道の多い東海道新幹線などで、道床更換マルタイによる道床搗き固め作業において、道床を弛緩させる作業を施工することに伴い、作業後にこの機械を使用して軌道に強制的に振動を与え、道床の初期沈下を促進させることで、翌日の列車徐行を無くすことが可能となる。別名、DTSとも呼ばれている。

DTS導入の目的

東海道新幹線では、道床更換後は道床が緩むため、列車を徐行させて列車走行の安定性を確保している。徐行は無条件ではなく、「列車の徐行余裕時分」という言葉で定義されている制約があり、上下線別にそれぞれ10分の許容があった。

最初の内は、道床更換後の列車の徐行速度は、高架区間で時速160km、盛土区間で時速130kmであったが、1986年以降は、作業後にマルタイによる道床搗き固め作業を条件に、高架および盛土区間共に時速170kmに改正された。

その後、1993年に道床作業安定車が導入され、作業後の列車徐行速度の向上の検討を進め、1997年のダイヤ改正からは、直線部は無徐行、曲線部では時速230kmに徐行速度が向上されることとなった。

これにより、列車の徐行余裕時分は、2分15秒になった。

DTSの作業

マルタイ作業後、このDTS用いる。

作業装置は、油圧によりスタビライザーユニットを水平振動させ、垂直加重(プレロード圧)を加え、道床に初期沈下を加え軌道の安定化を図る。