軌道自動自転車

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きどうじどうじてんしゃ
track auto cycle
かつて軌道自転車として使用していたものにエンジンを取り付けて軌道自動自転車としたもの。サドルの下に足踏みペダルがそのまま残っている。
3連で留置されている軌道自動自転車。製造時期が違うためなのか、それぞれ形が若干異なっている。

軌道自動自転車とは、軌道自転車にエンジンを装着したもので、線路上を走行して保線の係員が目的地まで移動するために使用されている軌道用諸車のことである。別名、「レールスクーター」、「レールスター」とも呼ばれていて、地域によっては「ビス」とも呼ばれている。

軌道自動自転車の概要

軌道自動自転車は、かつて道路事情が悪く自動車があまり普及されていなかった時代では、保線丁場または線路班から現場までの移動手段として使用していて、保線係員が何人も乗車していた。

最近では、災害時などで運休されている列車の運転再開に向けての線路の点検を実施する目的で使用することが多い。また、軌道の点検や調査のためにも活用されている。

線路上に載線、離線が容易であり、また、走行速度もある程度確保できるため機動力が高いのが特徴である。しかし、軌道自転車に比べエンジン装置が搭載されているため自重が約100kgあることから、最近では、軽量アルミで製作されていて、自動車やトラックなどで簡単に陸送が簡単にできるものもある。

軌道自動自転車の使用方

各社で使用されている軌道自動自転車には若干の違いがあるが、基本的には、エンジン駆動により自動遠心クラッチに伝わり走行チェーンを介して車輪に動力が伝達する。

エンジンの始動は、プーリーによりひもを引きエンジンをかけるものが多い。

エンジンには2種類があり、2サイクルエンジンと4サイクルエンジンがあり、2サイクルエンジンは約50㏄で、4サイクルエンジンは150cc以上を搭載しているものが多い。

2つのエンジンの速度は同じくらいで時速20㎞が一般的である。

走行速度を調節するにはハンドルあたりに取り付けられているスロットルレバーにより調節する。過去には、留置中や保線係員が離れた隙にエンジンのスロットルが突然上がり、無人で逸走し事故になったこともある。