軌条仕様書

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きじょうしようしょ

軌条仕様書とは、1929年(昭和4年)に制定されたレールの仕様書である。

軌条仕様書の導入

明治33年公布の建設規程とその趣旨を大きく異なる点は、従来の規程が線路の重要性、繁閑を無視していたものに対し、新しい仕様書では、線路の重要性または運輸量の程度を検討し、甲(特甲)、乙、丙の3種類に区別し、それぞれ異なった規格を摘要することにより、経済的合理化を図った。

軌条仕様書の内容

仕様書の中では、甲線区では37kgレール(特別な場合は50kgレール)、乙線区では37kgレール、丙線区では30kgレール(特別な場合は37kgレール)とすることが定められている。

新しい建設規程と同時に、その関連規程の一つとして始めて国鉄の軌条仕様書も制定された。これは、昭和に入って八幡製鉄所のレール製造が軌道に乗り、需要量の少ない溝付きレールを除いて、全部国産品でまかなえるようになったからである。

レールは50kgレールがPS型(PSレール)で12.000m長、30kgレール、37kgレールについては、ASCE形レールで10.058m長の規格で定められた。

それまでの大正時代のレールは、八幡製鉄所では需要を充分まかなうことができなかったため、諸外国より輸入に頼っていたことから、アメリカ、ドイツ、フランス、ベルギーなど16の製鉄所の製品が日本国内で入り混じっていた。また、製造方法についてもヨーロッパなどでは転炉製鋼法、アメリカなどでは平炉製鋼法であり、仕様もまちまちであった。