「車止め」の版間の差分

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(第二種車止め)
 
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2015年7月24日 (金) 14:40時点における最新版

くるまどめ
buffer stop , stop block , bumper , bumping post , bump stop

車止めとは、列車や車両が過走や逸走するのを防止するもので、軌道の終端に設ける設備で第一種車止めから第三種車止めと制走堤と呼ばれている第四種車止めがある。

特に本線路で列車や車両が過走や逸走したら重大な危険が生じる可能性のある場所では、相当の保安設備の確保が必要不可欠となる。

車止めの種類

第一種車止め

第一種車止め。軌道の終端が砕石・砂利盛りになっており、その長さが約20mが基本である。しかし、用地の制約などがあり長さが省略されている車止めもある。

第1種車止めは、おもに列車や車両が逸走したら重大な事故につながる恐れがあるところに設けられ、列車や車両が行き違う単線の停車場や信号所などの安全側線の終点などに設けられている。そのほか、折り返し線の終端や特に必要と認められるところに設けてある。

車止めの形状および構造は、大正時代に実際に列車を使って実験して検討された。実際に車止めに列車や車両が突入するときの速度と車両の重量により、車両が脱線・車両傾斜・車両同士の衝突などが発生する現象が明らかになった。

その結果として第一種車止めの形状は、レール面上20mmで長さが20mから30mの砂利盛りが施されるようになった。

第二種車止め

第二種車止め。軌道の終点部分にレールを写真のように加工して組み立てられて設置されている。

第二種車止めは、おもに行き止まりとなる本線路の終端や、その他これに類似する線路の終端に設けられている。また、重要な側線の終端もこれに該当する。

車止めの形状および構造は、軌道の終端にレールを加工して三角形の形にボルト・ナットで組んだものである。その組んだものを軌道のレールに締結してある。

第三種車止め

第三種車止め(Ⅰ号)第三種甲車止めともいわれている。
第三種車止め(Ⅱ号)第三種乙車止めともいわれていて、レールを大きく湾曲させて製作される。

第三種車止めは、Ⅰ号(甲)とⅡ号(乙)がある。 第三種Ⅰ号の車止めは、車庫線やこれに類似する軌道の終端に設けられる。 第三種Ⅱ号の車止めは、第三種Ⅰ号車止め以外の側線の終端に設けられている。おもに保線車両などを留置しておく側線などが該当する。

第三種Ⅰ号の車止めの形状および構造は、第二種車止めと同様に軌道のレールに締結されている。第三種Ⅱ号車止めは普通レールを湾曲させて製作する。

第四種車止め (制走堤)

第四種車止めと呼ばれている制走堤。コンクリート製である。

制走堤と呼ばれている第四種車止めは、車止めの先に建物・高築堤・切り取りなどがある場合で、列車や車両が停車位置を誤れば重大な事故につながるところに設置する。

形状および構造は、土盛りやコンクリートブロック構造などと同等のものを標準としている。通常はコンクリートで作られ、高さが約2m 、長さは1.5mから2.5mで設計されている。そして、その強度は100トン以上耐えられる構造となっており、これ以上の力が加わると制走堤が転倒するように設計されている。

油圧式車止め

大きな駅構内の終点に設けてある油圧式の車止め。分類的には第二種車止めに入る。

主要駅構内の終端には、有効長の確保および一般の鉄道利用者の安全を確保する目的から、油圧ダンパーを用いた機械式の車止めを設けているところがある。

もし、油圧式の車止めに列車が逸走して衝突しても、列車の重量、速度などに耐え、しかも、車両や乗客の安全の確保、地上設備の被害を最小限に制御できる機能が求められる。