緩衝桁軌道伸縮装置

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かんしょうげたきどうしんしゅくそうち
track rails expansion device , rail track expansion device

緩衝桁軌道伸縮装置とは、世界で初めて鉄道と道路の併用橋に用いられた伸縮継目のひとつで、軌道伸縮装置とも呼ばれている。吊橋のたわみなどをすべて考慮し、±750mmの伸縮が可能となっている。

概要

本州と四国を結ぶ連絡橋として、瀬戸大橋がありますが、中でも南備讃瀬戸大橋や北備讃瀬戸大橋は大規模な鉄道吊橋として世界的にも有名である。この瀬戸大橋の主塔間の間隔は900m、1100mとなっており軌道の線路長手方向のストローク量は1000mmを超えることから、従来からの鉄道橋のものとは比べものにならないほど大きな変化量となっている。 したがって、これらをクリアしないと吊橋に鉄道を通すことは技術的に不可能とされていたが、この大きな変化量を緩和して列車をスムーズに走行することができる軌道伸縮装置が開発された。正式名称は、1500形緩衝桁軌道伸縮装置である。

その開発された「差込み桁方式」と呼ばれている装置は、高い設置精度と長期間の安定性にも期待が持て、とくに、瀬戸大橋に敷設された緩衝桁軌道伸縮装置は、1500形と称されています。伸縮のストロークが±750mmあるからです。

本四備讃線の開業前での、EF形電気機関車9重連による走行試験では、設計に対し1500mmの余裕が確認された。そして、昭和63年4月10日に瀬戸大橋線として開業している。

軌道伸縮装置の構造

レール部は、受けレールが受桁と側桁に、トングレールは差込み桁にそれぞれ固定されており、車輪の乗り移り区間であるトングレールおよび受けレールの先端部のレール断面形状はL形となっている。 また、レール小返りに対する耐荷力が一般軌道より弱いため、車輪のフランジがレールに接触することがないよう軌間を5mm広げてあり、さらにガードレールで車輪を案内する構造となっている。