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==端部バッターの発生・発達の原因==
 
==端部バッターの発生・発達の原因==
継目部の保守状態の良否により、列車通過時の継目に対する衝撃荷重が変わる。道床の状態を良くし、継目の[[まくらぎ]]が浮かないように[[道床]]の[[搗き固め作業]]を実施することにより発生は抑制される。
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継目部の保守状態の良否により、列車通過時の継目に対する衝撃荷重が変わる。道床の状態を良くし、継目の[[まくらぎ]]が浮かないように[[道床搗き固め]]作業を実施することにより発生は抑制される。
  
 
継目落ちが発生すると、列車が通過する際に列車からの衝撃荷重が大きく加わるため、レールが塑性変形する。そして、レール内部の残留ひずみの変化が継目落ちの成因である。
 
継目落ちが発生すると、列車が通過する際に列車からの衝撃荷重が大きく加わるため、レールが塑性変形する。そして、レール内部の残留ひずみの変化が継目落ちの成因である。

2015年8月24日 (月) 13:35時点における版

たんぶばったー
rail end batter , end batter , batter
単線区間の50kgレールの継目部に発生した端部バッター。

端部バッターとは、レールの継目部の劣化現象である。レール端の頭頂面に列車の車輪の乗り移りによる衝撃が長期にわたり加わったため局部摩耗が生じたもの。

端部バッターの概要

単線区間では、上り列車・下り列車とも同じレール上を走行するため、継目板に挟まれた左右のレールが対象に頭頂面が叩かれ落ち込む。レール端部が最大に落ち込んで端部から距離が離れるごとに落ち込みが少なくなる。レール端部に水平に定規などを当てると逆三角形になるのが特徴である。

また、複線区間では、列車の進行方向が一定となっているため、レールの進出側、すなわち受けレール側に大きく列車の衝撃が加わるため受けレールが局部摩耗する。

継目部においてレール全体が塑性変形して曲がりが生じたものを継目落ちと称している。

端部バッターの発生・発達の原因

継目部の保守状態の良否により、列車通過時の継目に対する衝撃荷重が変わる。道床の状態を良くし、継目のまくらぎが浮かないように道床搗き固め作業を実施することにより発生は抑制される。

継目落ちが発生すると、列車が通過する際に列車からの衝撃荷重が大きく加わるため、レールが塑性変形する。そして、レール内部の残留ひずみの変化が継目落ちの成因である。

損傷における注意点

端部バッターが大きくなり継目落ちがひどくなると、レールが破端レール損傷につながる可能性があるので注意が必要です。

トンネル内では、温度変化が少ないものの腐食レールにより継目の締結力が低下して、明かり区間より端部バッターの発生率が多い。そのため、道床の搗き固め作業を十分に行うことが重要です。

端頭部熱処理レールを使用するのも、端部バッターを防ぐ方法のひとつです。