省力化軌道

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しょうりょくかきどう
manpower-saving track
代表的な省力化軌道のひとつであるスラブ軌道

省力化軌道とは、レールまくらぎバラストで構成される有道床軌道に比べて保守労力を低減した軌道を総称して省力化軌道という。

省力化軌道の試験敷設

省力化軌道の開発は、1892年に保守環境の悪い長大トンネル内にて、軌道保守作業に手間がかかり軌道材料の劣化が厳しいことから、保守負担が大きいため直結軌道として設計されたのが最初である。

敷設場所 主な軌道構造 弱点
1892年 室蘭本線 伏古別トンネル(609.6m) 木まくらぎを縦方向と横方向に埋め込み、ボルト締めをしてレールを締結。 路盤コンクリートとまくらぎの目地切れが多い
1931年以降 上越本線 清水トンネル 他 木ブロックを埋め込む直結軌道。レールとタイプレートを1本のねじクギで締結。 締結が不完全である。
1944年 関門トンネル 木ブロックで埋め込む直結軌道。レールとタイプレートを別々のねじクギにて締結。 締結が不完全である。
1957年 北陸k本線 深坂トンネル 弾性・絶縁性をかねた二重弾性締結の直結軌道。ブロックをレールに締結して上づりしてコンクリートを打設する。 不明

省力化軌道の目標

東海道新幹線の開業後、日本経済の高度成長に伴い、全国の鉄道網の輸送力増強やスピードアップがなされた。それによって、軌道破壊と保守間合いの確保が次第に困難となった。そのため、1965年に旧国鉄内に「新軌道構造研究会」が発足して、新しい省力化機動の研究が開始された。

  • 建設費が有道床軌道の2倍以下となること。
  • 軌道構造の上下・左右方向の強度と弾性が有道床軌道のそれと同等以上となること。
  • 施工速度が200m/日以上となること。
  • 下部構造の変状に対する軌道狂いが整正可能な調節量(上下±50mm、左右±10mm)となること。

これらの条件を満足するものとして、スラブ軌道が開発された。

その後、現在においても多種多様な省力化軌道が開発され敷設されている。