犬クギ打ち機

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いぬくぎうちき
dog spike driver , spike driver , spiker

犬クギ打ち機とは、保線車両のひとつで、レールの締結するために用いる犬クギ木まくらぎ上に自動で穴をせん孔し打ち込む作業に使用する機械である。

犬クギ打ち機を導入する経緯

犬クギ打ち機は、昭和41年の日本国有鉄道時代において、軌道保守の近代化を図ることを目的として、軌道の修繕方式を従来の人力を主体とした方式から、軌道保守用機械を主体とした方式に、随時、切り替えるため導入したものである。

この新しい軌道修繕方式は、線区の状況に応じて、これらの各機械を適切に組み合わせた編成により能率的な作業を実施するものである。 日本国有鉄道時代の昭和45年度から47年度までの間に、マルチプルタイタンパー及び、これらと組み合わせて使用するための軌道モーターカー、犬クギ打ち機、犬クギ抜き機まくらぎ更換機等の機械を導入し、北海道・四国両総局及び盛岡ほか全26鉄道管理局に配備していた。

犬クギ打ち機の導入後の実績

北海道総局及び盛岡ほか11鉄道管理局について、これらの各機械のうち昭和45年度・昭和46年度の両年度に導入されたものの、昭和47年度におけるか働状況を調査したところ、当初の計画どおり編成を組んで保守作業を計画どおり実施している線区は極めて少なく、大部分の線区では、マルチプルタイタンパー及び軌道モーターカーだけを単独で使用し、他の機械はほとんど使用しないまま保有している状況であった。

犬クギ打ち機の性能

この犬クギ打ち機は、軌道モーターカー形式の車体の前方に犬クギ打ち機装置を車両に取り付けたものです。動力は2組の油圧ポンプと空気圧縮機で供給して、全ての装置を駆動する。

走行はエンジンにて、トルクコンバーター、逆転機を介して後軸を駆動して走行する。

台枠の両側に取り付けた犬クギ装置は、まくらぎ穴あけ装置、犬クギ打ち装置、犬クギ供給装置の各4組取り付けてある。そして、まくらぎキャッチ装置2組から構成されている。

犬クギ打ち機の使用方法

作業方法は、所定の木まくらぎ上に犬クギ打ち機を移動させ、所定の位置に停止して、木まくらぎを機械で挟みレール底面にあたるまで持ち上げ固定します。

そして、4個あるドリルビッドをまくらぎ上面まで降下させ、所定の位置にセットする。作業スイッチを押すと木まくらぎ上に穴をせん孔し、エアハンマーにて犬クギを打ち込む。この一連の作業が自動で行われる。

犬クギ打ち機の現状

開発当初は、SD-4AとSD-4Bの2種類の車両が製造されていたが、日本では、ほとんど使用されておらず、現存している車両もほとんどないのが現状である。