安全側線緊急防護装置

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あんぜんそくせんきんきゅうぼうごそうち
urgent protection equipment of a safety siding
車止めの前の軌間内に取り付けてある安全側線緊急防護装置。

安全側線緊急防護装置とは、通称「ねずみとり」といわれている保安装置の一種で、安全側線車止めの前に設置されていて、列車または車両が進入してきた場合にこれが倒れ関係する信号機などに知らせる。

安全側線緊急防護装置の目的

安全側線は、本来、列車の過走や出発信号機を冒進して起こる重大事故を防止するために設けるものである。

通常、安全側線に侵入してしまった列車や車両は、たとえば、第一種車止めであれば砂利盛りに乗り上げて停止するか、脱線しても隣接線に支障しないように設けるべきである。

しかし、地形上や配線上の制約により、かつての大事故でもある三河島事故の例でもわかるように、安全側線に突入して脱線した列車が隣接線を支障し、たまたま隣接線を運転している他の列車などが衝突して併発事故となり重大な結果を起こすことが考えられる。

安全側線緊急防護装置は、安全側線に列車または車両が進入した場合にこれを検知して、関係信号機の信号現示を停止信号にするものである。

安全側線緊急防護装置のしくみ

安全側線緊急防護装置の機能は、安全側線の終端の車止めの前の軌間内に設置する。

垂直に固定された接触わくと呼ばれる検知装置に、信号などの回路制御器を接続して、列車または車両がこの接触わくに当たり、その衝撃で進行方向に倒れ、これに接続している回路制御器の接点が切れて関係信号機の信号現示を停止信号に変える。

安全側線緊急防護装置の構造

接触わくは、鉄パイプで作られていて、高さは約1mで上部に約140kgの荷重が直角に作用したときに、下部にある特殊なボルトが切断され進行方向に倒れる構造となっている。