伸縮継目

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しんしゅくつぎめ
expansion joint , adjustment switch , expansion device , sliding joint
全国的に最も普及している60kgレールで採用されているの伸縮継目。
新幹線で採用されているの伸縮継目は両側レールが受けレールとなっており、中央部分に短く固定されたトングレールが取り付けられている。このトングレールは斜め継目にして絶縁材が挿入されて信号回路が区切られている。

伸縮継目とは、おもにロングレールの始終点に設けられている継目の一種で、温度によるレール伸縮量が多くなっても対応が可能な継目である。

伸縮継目の特徴

伸縮継目は、ロングレールの始終点に用いる継目の一種で、温度変化によるレールの大きな伸縮に対応できるよう設計されていてる。その構造は色々あるが、受けレールトングレールが斜めに重なり合って接続されているのが一般的である。

伸縮継目で最大に伸縮量を補えるのは、50kgNレールで±62.5mm、60kgレールで±100mmとなっている基本であるが、その他にも、曲線区間など特殊な場所とか、短い区間で伸縮量を少なく設計された小ストローク伸縮継目も多数存在する。

伸縮継目の種類

形式による分類

代表的な形による分類は以下のとおりである。

種類 用途
片トング型(A形式) 受けレールが直線であり、車輪の乗移りが比較的容易で、受けレールとトングレールの重なり部分を長くすればほとんど衝撃を受けない。しかし、レールの伸縮により伸縮継目の軌間が変化する。また、軌間を一定に保つようにすると受けレールとトングレールの間に隙間が生じてしまう。
片トング型(B形式) 受けレールが曲線になっていて、レールの伸縮によって軌間の変化がなく一定である。受けレールがトングレールを弾性的に押し付けているので、両レールの間に隙間は生じない。日本ではこの形式が一般的に採用されている。
両トング重なり型 受けレールがなく、左右レールがトングレールとなっていて重なり合っている。斜め接着絶縁継目のような形であり、フランス国鉄で使用されている。
両トング突合せ型 左右のトングレールの間に、短い固定されたトングレールが敷設されている。スペイン国鉄で使用されている。
欠線サイドレール型(欠線ガードレール型)(C形式) 継目が千鳥型になっていて、レールを縦半分に削正された左右レールにて接続されているため軌間線欠線部がり、対面にはガードレールが設置されているのが特徴である。ベルギー国鉄にて使用されている。

日本における伸縮継目の設計

日本において伸縮継目を本格的に採用され始めたのは、東海道新幹線が開業するころである。当初は、全ての伸縮継目の種類を試験敷設した。

その結果、レール断面を大きく切り欠く形式は、レール損傷が発生する可能性が大きく、構造が複雑になることが判明した。

したがって、日本においては、片トング型(B形式)が採用されて現在に至っている。