レール締結装置

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れーるていけつそうち
rail fastening , rastening , rail fastener , fastering system , fastening assembly
JRなどの在来線で一般的に使用されているレール締結装置。

レール締結装置とは、レールまくらぎなどに固定して、車両の荷重をまくらぎ・道床へ分散するためのものである。

レール締結装置の役割

レール締結装置は、レールをまくらぎなどの支承体に締着させ、軌間の保持を行うとともに、車両走行時に車両が軌道に与えるさまざまな方向の荷重や振動(おもに上下方向・横方向・レールの長手方向)などに抵抗して、これらを下部構造のマクラギ・道床路盤に分散または緩衝して伝達する機能を持っている。

レール締結装置の機能

レール締結装置の機能は、その種類によりさまざまなものがある。

  • 支承体上にレールを固定する。
  • ある条件かでレールを支承体上で滑らせる。
  • 車両からレールに伝わる上下方向の力・横方向の力を適度に分散させる。
  • レールから伝わる水平力に抵抗する。
  • レールの小返りに抵抗する。
  • レール面の上下・左右方向の調節を可能にする。
  • レールから伝わる衝撃力に対して、緩衝作用を持つ。
  • レールからの振動を減衰させて、下部構造に伝達する。
  • レールと支承体との間を電気的に絶縁する。

以上の機能を有する。ただし、あるひとつの種類のレール締結装置が、これらのすべての機能を持っているのではなく、これらのうちいくつかのものを有しているということである。

レール締結装置の種類

レール締結装置の種類は、現在進行形で、さまざまな国と地域でで開発されており、その種類は膨大である。

レールとまくらぎの間の介在物と、レールを押さえる方式との組み合わせで、大まかに分類すると種類は以下のとおりとなる。

レールとまくらぎの間の介在物 A (犬クギ、ねじクギ) B (レール押さえ金具、ワッシャ) C (ばねクギ) D (スプリングクリップ) E (くさび形クリップ) F (レール押さえ用シム) G (タイプレートショルダーによる押さえ)
Ⅰ なし A-Ⅰ なし C-Ⅰ D-Ⅰ なし F-Ⅰ なし
Ⅱ タイプレート A-Ⅱ B-Ⅱ C-Ⅱ D-Ⅱ E-Ⅱ F-Ⅱ G-Ⅱ
Ⅲ 軌道パッド A-Ⅲ B-Ⅲ C-Ⅲ D-Ⅲ E-Ⅲ なし なし
Ⅳ タイプレートと軌道パッド なし B-Ⅳ C-Ⅳ D-Ⅳ なし なし なし

レール圧力をまくらぎに伝達する方式として、タイプレート軌道パッド・タイプレートと軌道パッドの組み合わせがある。

レールの横移動・浮き上がり・小返りを押さえる方式として、犬クギねじクギレール押さえ金具ばねクギ締結ばねレール押さえ用シムくさび形クリップタイプレートショルダーなどがある。

以上なものを、それぞれ組み合わせて、現在では多種多様なレール締結装置が開発され敷設されている。