マンガンクロッシング

提供: 保線ウィキ
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まんがんくろっしんぐ
manganese crossing , solid manganese steel crossing
工場にて一体鋳造で製作されているマンガンクロッシング。50kgNレールの8番の片開き分岐器に使用されているマンガンクロッシング。

マンガンクロッシングとは、高マンガン鋼を使用して、一体鋳造で製造されるクロッシングである。

マンガンクロッシングの素材

マンガンクロッシングは、高マンガン鋼(炭素0.9%から1.2%、マンガン11.0%から14.0%)を使用して、一体鋳造にて製造されている。鋳造によるのは、高マンガン鋼は、ロール圧延が困難であるためである。また、高マンガン鋼は普通レールと溶接が容易ではない。

マンガンクロッシングの歴史

日本においてマンガンクロッシングが敷設されたのは、大正12年にイギリスのエドガーアレン社・ハッドフィールド社・アメリカのローレン社・ベツレヘム社から、それぞれを輸入して試験敷設したのが始まりである。

その試験結果では、マンガンクロッシングは、摩耗に対して優秀であり、その寿命はレール製の組立クロッシングの約4倍であった。

その後、日本国内でも製造され始めたが、現在では大同キャスティング社の1社のみが製造している状況である。

マンガンクロッシングの敷設

組立クロッシング(レール製クロッシング)はマンガンクロッシングに比べてレール損傷の発生が非常に多いためクロッシングの寿命が短くなることがある。

従って、そのレール損傷が少なくなれば、マンガンクロッシングの耐摩耗性が発揮できることから、昭和8年に製作仕様書が制定された。そして、引き続き研究が続けられた。

戦後においては、帽子形分岐器に使用されていた鈍端可動クロッシングの欠点による事故が発生したことから、これに変わるクロッシングとして大量に敷設された。

マンガンクロッシングの短所

マンガンクロッシングは普通レールと溶接が不可能なためクロッシングの前後には継目が存在している。

主に主要線区では、通過トン数が多いため軌道破壊が進みやすい。特に分岐器については弱点箇所であり、いろいろな手段を講じて強化する必要があります。その手段として最大の弱点箇所である継目をなくすことが課題であった。また、列車の高速化に伴う軌道への負担を軽減させる意味もあります。

最近になり、マンガンクロッシングと普通レールをフラッシュバット溶接で接続する技術が確立された。それが、フラッシュバットマンガンクロッシングである。

そのほかにも、マンガンクロッシングと普通レールを接着絶縁継目の技術でつなぎ合わせた接着マンガンクロッシングも製造されている。