プレテンションまくらぎ

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ぷれてんしょんまくらぎ
pre-tensioning concrete sleeper , pretensioned concrete sleeper
国鉄3号PCまくらぎの端部。1本のPCまくらぎに12本の鋼線を使用し製造されている。
大阪の鉄道科学博物館に展示されているプレテンションまくらぎの断面。赤丸がPC鋼線。

プレテンションまくらぎとは、PCまくらぎのコンクリートの型枠に打ち込む前に、中のPC鋼線に所定の引張力を与えておき、コンクリートが降下して必要強度に達したら、鋼線をまくらぎ両端で切断して引張外力を開放することにより、鋼線とコンクリートの付着力によってコンクリートに圧縮力(プレストレス)を与える方法のことである。

この工法とは別に、コンクリートが硬化し必要強度に達してから鋼棒に引張力を与え、コンクリートに圧縮力を与えるポストテンションまくらぎある。

ロングライン方式

多数のPCまくらぎの型枠を数センチの間隔で長手方向に設置され、PC鋼線はこれらすべてを貫通するようになっている。PC鋼線は緊張されたまま両端が固定されるのであるが、その両端の固定装置を、それぞれ大地に固定された2つのアバットに取り付けられた「固定ベンチ」といわれているものと、いずれも移動できる1つの橋桁のような構造体の両端に取り付けられている「移動ベンチ」といわれているものがある。

固定ベンチと移動ベンチの違い

アバット間隔を長く取ることができるのに対して、移動ベンチではあまり大きくすることは困難である。しかし、移動ベンチ方式には、PC鋼線の緊張、コンクリートの打ち込み、型枠の取り外しなどの作業に合わせて、場所を移動することができるので作業の分業化が可能という利点を持っている。 近年の主流は固定ベンチであり、移動ベンチについては殆ど施工されていない。

単一体型方式

緊張したPC鋼線を型枠ごとに固定し、その後、コンクリートを打設して、まくらぎを製作する方法を単一体型方式という。PC鋼線の緊張力すべてを個々の型枠が独立して使用きるので、流れ作業でまくらぎを製作することが可能となる。しかし、プレテンション方式の単一体型方式は、日本では実用化されていない。