フレーキング
ふれーきんぐ
flaking
フレーキングとは、比較的にレールに塗油する条件の軽い緩和曲線の外軌レールのゲージコーナー部分にうろこ状にはく離した傷である。
フレーキングの概要
損傷の初期には、レールのゲージコーナーの表層部に、ピッチの粗いきしみ割れの傷ができる。やがてこれらの亀裂がレールのゲージコーナーの表層部の比較的浅い部分からはく離し、時間の経過とともにはく離が進行する。
車輪とレールとの限定された接触条件で発生するきしみ割れのひとつであり、きしみ割れとスポーリングの中間的な接触条件で発生するものと位置付けられている。
フレーキングの発生原因
レールの敷設後、比較的初期においてフレーキングが発生する場合は、車輪とレールのミスマッチが考えられる。この時の損傷の発生位置は、レールのゲージコーナーの頭頂面側に発生することが多い。
フレーキングは、きしみ割れよりも表層部で塑性流動が生じることにより、はく離しやすい亀裂が発生する。
フレーキングによる被害
頭頂面傷のひとつであるスポーリングよりはく離深度は比較的浅い。そして、はく離しやすくゲージコーナー表層において、連続的なはく離をもたらしやすい。
また、ゲージコーナーの頭頂面側に発生したケースでは、ゲージコーナー側からフィールドコーナー側へと亀裂が進行し、レール頭頂面に大きなはく離をもたらす場合もある。
しかし、これらの亀裂からレール折損を引き起こすまでは成長することはほとんどない。
フレーキングの防止
きしみ割れとスポーリングの中間に位置するだけに、損傷の防止対策は難しい。なぜならば、レール塗油を停止すればきしみ割れが出やすくなり、反対にレール塗油を強化すればスポーリングが発生してしまう危険が出てくる。
であるから、レール塗油の強弱を適正に管理し、その後の観察をきちんと行う必要がある。
もっとも有効な対策としては、スポーリングと同様に、レール損傷の初期状態の時にグラインディングなどで、レールのゲージコーナー部分を削り取る方法がある。そして、レールの敷設初期においての損傷に対しては、車輪の形状とレール形状のマッチングを見直す必要がある。