フレーキング

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ふれーきんぐ
flaking
50kgNレール区間において、比較的曲線半径が大きい外軌レールに発生したフレーキング。
50kgNレール区間のレールのゲージコーナー部分を拡大したもの。きしみ割れの一部分がはく離している。
閑散線区において50PSレールに発生したフレーキング。この区間も比較的曲線半径が大きい。

フレーキングとは、比較的にレールに塗油する条件の軽い緩和曲線の外軌レールのゲージコーナー部分にうろこ状にはく離した傷である。

フレーキングの概要

損傷の初期には、レールのゲージコーナーの表層部に、ピッチの粗いきしみ割れの傷ができる。やがてこれらの亀裂がレールのゲージコーナーの表層部の比較的浅い部分からはく離し、時間の経過とともにはく離が進行する。

車輪とレールとの限定された接触条件で発生するきしみ割れのひとつであり、きしみ割れとスポーリングの中間的な接触条件で発生するものと位置付けられている。

フレーキングの発生原因

レールの敷設後、比較的初期においてフレーキングが発生する場合は、車輪とレールのミスマッチが考えられる。この時の損傷の発生位置は、レールのゲージコーナーの頭頂面側に発生することが多い。

フレーキングは、きしみ割れよりも表層部で塑性流動が生じることにより、はく離しやすい亀裂が発生する。

フレーキングによる被害

頭頂面傷のひとつであるスポーリングよりはく離深度は比較的浅い。そして、はく離しやすくゲージコーナー表層において、連続的なはく離をもたらしやすい。

また、ゲージコーナーの頭頂面側に発生したケースでは、ゲージコーナー側からフィールドコーナー側へと亀裂が進行し、レール頭頂面に大きなはく離をもたらす場合もある。

しかし、これらの亀裂からレール折損を引き起こすまでは成長することはほとんどない。

フレーキングの防止

きしみ割れスポーリングの中間に位置するだけに、損傷の防止対策は難しい。なぜならば、レール塗油を停止すればきしみ割れが出やすくなり、反対にレール塗油を強化すればスポーリングが発生してしまう危険が出てくる。

であるから、レール塗油の強弱を適正に管理し、その後の観察をきちんと行う必要がある。

もっとも有効な対策としては、スポーリングと同様に、レール損傷の初期状態の時にグラインディングなどで、レールのゲージコーナー部分を削り取る方法がある。そして、レールの敷設初期においての損傷に対しては、車輪の形状とレール形状のマッチングを見直す必要がある。