スポーリング

提供: 保線ウィキ
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すぽーりんぐ
spalling
ゲージコーナー部分に発生したスポーリングによるはく離損傷。

スポーリングとは、レール頭頂面傷のひとつであり、比較的に車両の輪重の軽い列車が運行されている区間で、レールに塗油されている曲線において、ゲージコーナーに「虫食い」状の深さ2mmから3mmの微小なはく離痕である。

スポーリングとフレーキングの違い

スポーリングとフレーキングを厳密に分類するのは難しいが、スポーリングは塑性変形を伴わなくて、レールの周辺にきしみ割れの生成のない単発的なはく離をスポーリングとしている。

スポーリングの発生原因

レール塗油などによるレールの摩耗抑制に伴う局部的な金属疲労である。レールの敷設後、初期の車輪とゲージコーナーとのミスマッチでも認められることもある。

スポーリングの被害

レールのゲージコーナーの表面部において、はく離痕からレールの深さ方向への亀裂が進行していくことはない。

ゲージコーナー長手方向へのはく離の成長は、同一敷設条件内での新たなはく離発生部との連結によってもたらされる。このためゲージコーナー表層部での連続的なはく離が生じ、列車の通過時には、騒音や振動が発生することがある。

しかし、これらのレール損傷によって、単独でレールが折損することはない。

スポーリングの対策

レールの塗油の量を緩和するか、レールの塗油を一時的に停止して、ゲージコーナー部に発生したはく離痕を初期状態のうちに車輪の摩耗によって取り去る。もしくは、レール削正などをしてスポーリングを取り除くことが有効である。