シャッター亀裂

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しゃったーきれつ
shutter crack

シャッター亀裂とは、レールの製造工程で作られる傷のひとつであり、溶鋼状態で含有されていた水素は、凝固・冷却・変態して、時間とともに放出されるが、水素が多量に存在する場合においては、拡散されずレール内部に残留して白点傷またはシャッター傷を構成することがある。

往年のレール製造技術

レールの製造時に、鋼塊頭部相当レールの点状偏析欠陥部にもシャッター亀裂が共存する。これが、車輪接触によって転動疲れ破壊の原因となる横裂がしばしば見られていた。

シャッター亀裂の増加

材質の向上を目指し、脱酸度を改善した1958年から1961年製造のレールでは、鋼中の酸化物は減少したが、水素が置き換えしてシャッター亀裂からのレール損傷が多発した。

シャッター亀裂の防止

レールの製造工程において、シャッター亀裂の防止策として脱水素処理として除冷処理(Control Cooling)が施工された。

さらに、現在、製鋼にて製造されるレールでは、転炉製鋼法LD法)であるので亀裂の進行はゆっくりしている。