ゲージコーナーシェリング

提供: 保線ウィキ
移動: 案内検索
げーじこーなーしぇりんぐ
gage corner shlley spot
ゲージコーナー部分に発生したシェリング傷。きしみ割れとよく似た現象ではあるが内部から亀裂が進行している。

ゲージコーナーシェリングとは、急曲線区間において、レール摩耗の防止をするためレール塗油器などによる塗油を過度に施された外軌レールのゲージコーナーに、内部を起点とする連続的なはく離をゲージコーナーシェリングという。また、よく似たレール損傷のひとつで頭頂面に発生する頭頂面シェリングもある。

ゲージコーナーシェリングの特徴

ゲージコーナーシェリングは、ゲージコーナー内部の5mmから10mmの深さから発生し、ゲージコーナーの内部の同一深さをレールの長手方向で、列車進行方向に向かって亀裂が進行する。

そして、長さ50mmから100mmの単位でゲージコーナー部分の欠落をもたらす。

ゲージコーナーシェリングの発生原因

ゲージコーナー内部の欠陥。特に長大な非金属介在物(酸化物系介在物)が存在する場合には、これが起点になることが多い。

最近の研究では、レール材料の高強度化によってゲージコーナーシェリングを防止できることが明らかになってきた。とくに微細なパーライト組織による高強度化で、さらに、レール内部方向への高度勾配が少ないほど有効である。

また、レール鋼の高強度化は、介在物からの亀裂発生の感受性を低下させて、重い荷重条件下でもレール内部起点のこの種損傷の発生はほとんど確認されていない。

急曲線区間の外軌レールのゲージコーナー部分に車輪の荷重が集中するので、その内部に疲労ダメージが蓄積するために発生すると考えられています。

ゲージコーナーシェリングの被害

きしみ割れスポーリングフレーキングと比較して、ゲージコーナーシェリングは格段に注意しなければならない。なぜならばゲージコーナーシェリングは、単にゲージコーナー部分のはく離にとどまらず、まれにレールの横裂方向に亀裂の分岐をもたらして、レール折損事故を引き起こすことがあるからです。

曲線区間に敷設された普通レールがゲージコーナーシェリングの損傷を受けている。そして、従来の熱処理レール(旧HHレールなど)と呼ばれている焼入れ・焼戻しタイプでも、はく離が発生しやすいことが明らかになってきている。

ゲージコーナーシェリングの対策

基本的には、急曲線区間には微細パーライト組織を有する熱処理レールの採用が有効である。国内ばかりでなく諸外国の重荷重鉄道においても、ゲージコーナーシェリングやこれを起点とした横裂の発生が皆無であるNHHレールDHHレール(現在ではHH340レールHH370レール)への交換が抜本的な対策としている。