カント不足量
提供: 保線ウィキ
かんとふそくりょう
deficiency of elevation , cant deficiency , unbalanced superelevation
カント不足量とは、曲線区間で最高速度に対応したカント量と平均速度で設定されたカント量の差のことである。
カント不足量の概要
カント不足量は、曲線区間での列車の最高速度に対応したカント量と、その曲線で列車が通過する平均速度にて設定されたカント量の差であり、設定されたカント量の平均速度以上を超過すると、列車にカント不足による超過遠心加速度が働いて安全性や乗り心地に影響を与えることからカント不足量には上限がある。
計算式
カント不足は、設定カント量が均衡カントよりも小さい場合に生ずるものであり、車両が曲線を通過する場合、超過遠心力により乗心地を悪化させないようにする。さらに、車両がその振動や曲線内方からの横風の影響下で外方に転倒しないことを考慮してカント不足量の限度を決めていいる。
[math]C_d=\frac{GV^2}{127R}-C[/math]
- [math]G[/math]は、軌間
- [math]V[/math]は、速度
- [math]R[/math]は、曲線半径
- [math]C[/math]は、設定カント
- [math]C_d[/math]は、カント不足量
通常、カントは一般に平均速度に対して設定することから、平均速度を自乗平均法を用いて求める。
[math]V_O=\sqrt{ΣV^2/n}[/math]
- [math]V_O[/math]は、平均速度(㎞/h)
- [math]V[/math]は、列車速度(㎞/h)
- [math]n[/math]は、列車数
在来線
- 一般列車 50㎜
- 電車、気動車 60㎜
- 振子式電車(381系) 110㎜
新幹線
- 開業当時 100㎜
- 昭和63年7月以降 115㎜