オヤ19820形式

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おや19820けいしき
oya-19820 type
オヤ19820形式の軌道検測車。1954年10月に品川にて佐竹保雄氏が撮影された。

オヤ19820形式とは、昭和16年ごろに一等寝台車を改造して製作された軌道検測車である。

オヤ19820の概要

昭和16年ごろ、ヤ9000形式の後継機としてオヤ19820形式の軌道検測車が製作された。

この検測車の検査項目は、継目落ち(3.5m弦正矢法による高低狂い)、軌間狂い水準狂い通り狂い(現在の通り狂いと異なり曲率のようなもの)、速度、距離マークである。

機械的な変位検出機構と変位伝達および演算機構を用いて記録台上の幅670mmの記録紙に機械式の記録ペンで軌道狂いの記録を行っていた。

オヤ19820形式の概観

一等寝台車改造されて製作されたオヤ19820形式は、前歴が寝台車であった名残で、幕板に明り窓が残っている。

露台は軌道観察用に試験車に改造後設置されて、後に屋根上に前照灯も設置された。

当初、室内は旧開放寝台部分を4台分残し軌道測定装置を取り付け、円卓と丸椅子が置かれた。

特徴的なのは、旧喫煙室をそのまま休憩室として利用して個室寝台部を残して利用した。

しかし、昭和29年に室内の割り付けを大幅に更新し、開放寝台部分を全て撤去し配電室を設置。休憩室は通常の箱型の部屋に改造され、その欄間には十二支の彫り物で装飾された。

また、便所部分は暗室に転用されている。

車体外部の塗色はぶどう色1号であったが、後にぶどう色2号に変更された。

その後、ヤ210形式や本格的な高速軌道試験車としてマヤ34形式が登場してからはその任を譲り、1964年(昭和39年)に老朽化のため廃車され形式消滅した。