ふく進

提供: 保線ウィキ
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ふくしん
rail creep , rail creepage

ふく進とは、敷設されているレールがさまざまな環境の変化で、レールの長さの方向にわずかずつ滑動することである。

ふく進の概要

ふく進は、敷設されているレールが、列車の通過車両の影響などによりレールの長さの方向に活動してしまう現象で、ある一方向に片寄って移動してしまう現象である。

ふく進が進行すると、継目遊間まくらぎ間隔を乱してしまう。その結果、道床が弛緩し軌道狂いが助長してしまう。

ふく進の原因

ふく進の原因は解明されていないが、

  • 車両の制動によるもの。
  • 車両が力行する時に車輪のけり走る傾向によるもの。
  • 車輪がレールの小口(継目短部上角)に衝突するためによるもの。

このような原因が2~3組合わさって発生している。

ふく進量、方向

レールのふく進量やその方向は一律ではないが、

  • ふく進量については、単線区間よりも複線区間に多く発生している。また、平坦区間よりも勾配区間に多く、切取地帯よりも築堤部分に多く、直線区間よりも曲線区間に多く発生している。
  • ふく進方向については、下り勾配の方向に進むことが多く、曲線部分の内軌では、前後に接続する各直線方向に向かい、外軌では之と反対の方向を示す場合が多い。

ふく進による危険性

ふく進が進行すると、遊間が、過大遊間盲遊間に片寄りレール張り出しの危険性が増す。

また、分岐器内では、基本レールがふく進するとヒールボルトに無理が生じトングレールの転換に悪影響を及ぼし転換不能、密着不良の原因となることから注意が必要である。