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ばねクギは、特に軟材のまくらぎの場合に抜け上がりやすく、また、抜け上がった場合は、再度打ち込んでも締結力が減少するので打ち込み位置の変更が必要である。
 
ばねクギは、特に軟材のまくらぎの場合に抜け上がりやすく、また、抜け上がった場合は、再度打ち込んでも締結力が減少するので打ち込み位置の変更が必要である。
  
クギの脚部に常に曲げモーメントが働いているため、まくらぎ締着部の破壊が起こりやすい。また、普通の犬クギに比べてレール底部の[[電食]]が起こりやすい。レールの電食が起こりやすいのは、レールとばねクギの接触が完全であるため、まくらぎの含水量が多かったり、排水不良で湿潤状態にあるとき、ばねクギを伝わって漏電電流回路が形成される。このため、直流電化区間のトンネル内や変電所より約5kmより遠い箇所や排水不良箇所では使用が禁止されている。
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クギの脚部に常に曲げモーメントが働いているため、まくらぎ締着部の破壊が起こりやすい。また、普通の犬クギに比べてレール底部の[[電食]]が起こりやすい。レールの電食が起こりやすいのは、レールとばねクギの接触が完全であるため、まくらぎの含水量が多かったり、排水不良で湿潤状態にあるとき、ばねクギを伝わって漏電電流回路が形成される。このため、直流電化区間の[[トンネル]]内や変電所より約5kmより遠い箇所や排水不良箇所では使用が禁止されている。
  
  
 
[[Category:レール締結装置|はねくき]]
 
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2015年9月10日 (木) 14:43時点における最新版

ばねクギ
spring spike , elastic spike

ばねクギとは、犬クギの機能にバネ弾性機能を持たせた締結装置である。

ばねクギの特徴

通常、犬クギねじクギを使用してレールを締結する場合、レールをまくらぎに常時圧着させておくことは困難であるが、ばねクギでは、犬クギの頭部に適度な弾性を持たせてあり、これによってレールを常に圧着して、レールから受ける引き抜き力に対してバネ力で抵抗できるようになっている。また、レールのふく進に対しても抵抗するようになっている。

ばねクギの使用

日本においては、E形タイプレート軌道パッドと共にばねクギを用いて、二重弾性締結として敷設されていたが、現在では使用されていない。

ばねクギの欠点

ばねクギは、特に軟材のまくらぎの場合に抜け上がりやすく、また、抜け上がった場合は、再度打ち込んでも締結力が減少するので打ち込み位置の変更が必要である。

クギの脚部に常に曲げモーメントが働いているため、まくらぎ締着部の破壊が起こりやすい。また、普通の犬クギに比べてレール底部の電食が起こりやすい。レールの電食が起こりやすいのは、レールとばねクギの接触が完全であるため、まくらぎの含水量が多かったり、排水不良で湿潤状態にあるとき、ばねクギを伝わって漏電電流回路が形成される。このため、直流電化区間のトンネル内や変電所より約5kmより遠い箇所や排水不良箇所では使用が禁止されている。